福島第一原子力発電所の事故いらい、メルトダウンという言葉がよく使われていました。
でも、このメルトダウンという言葉は、日本では意味が統一されていないため、人によって使い方に違いがあるといわれています。
メルトダウンを日本語でいうと、「炉心溶融(ろしんようゆう)」です。
炉心溶融とは、
原子炉冷却材の冷却能力の異常な減少、あるいは炉心の異常な出力上昇により、燃料体が過熱し、かなりの部分の燃料集合体または炉心構造物が溶融することを炉心溶融という。
または、炉心損傷により生じた破片状の燃料が、原子炉冷却材の冷却能力の喪失により溶融することをいう。
(文部科学省所管の財団法人原子力安全技術センターの原子力防災基礎用語集より)
さらに、炉心損傷で発生した破片状の燃料が溶解することも含んでいます。炉心構造物というのは、炉心を支えたり、炉内を冷却したりするために原子炉容器内に組み込まれる構造物の総称です。
簡単に言うと、燃料集合体が冷却が不十分なために、温度が上昇しすぎて溶けてしまうことをいうわけですね。燃料溶融ともいわれています。
メルトダウンが進行し続けると、やがて圧力容器や格納容器を溶かして、外に漏れてしまいますが、これを「メルトスルー」。
メルトスルーがもっと進行すると、建屋の外に出てしまい、「メルトアウト」と呼ばれます。
福島第一原子力発電所の事故では、3月12日に1号機が、3月14日に3号機が、3月15日に2号機がメルトダウンを起こしていたことが、5月24日になってわかりました。さらに、計測データから、1号機の格納容器には一箇所、2号機には二箇所の穴が開いていることが推測されています。
まだまだ安心できる状態ではないようです。