放射性物質であるヨウ素は人の身体の中で、
甲状腺ホルモンの構成成分として重要な役割を担っています
ですので放射性物質ヨウ素が空気中などに存在していると、
人体は簡単に体内に取り込んでしまいます。
そして、人体の組織に吸収されると、
放射性物質のヨウ素は血液中から甲状腺に集まり、蓄積されていくのです。
一方で放射性物は、原子核崩壊を起こして放射線を放出する性質を持っているため、
甲状腺の細胞を破壊し、その破壊された細胞が分裂を繰り返す事によって
被曝してしまいます。
その結果として、甲状腺がんを発症してしまうこともあります。
特に子供の場合には、まだ成長期にいるため、
甲状腺が大人よりも多くの放射性ヨウ素を取り込んで蓄積してしまいます。
また、細胞分裂も年齢が低いほど活発です。
この事から、放射性物質ヨウ素を体内に取り込むと、
小さな子供程、甲状腺がんを発症する確率が高くなってしまうと言われているのです。
これは、チェルノブイリ原子力発電所事故後、
子供達の甲状腺ガンが増加していることでも知られています。
けれど、甲状腺がんを発症する程の被曝をするかどうかは、
体内に取り込んだ放射性物質ヨウ素の量にもよりますし、
放射性ヨウ素131の場合には、半減期が8日間で減少していきます。
また、細胞分裂が活発に行われる時期が過ぎてしまった40歳以上の方は、
この放射性物質ヨウ素により被曝して、甲状腺がんが発生する確率は低いと言えます。
そう言った事からも、過剰な心配は避けた方が良いかもしれませんね。