プルトニウムは、アルファ線を放出する放射性物質です。

このアルファ線は紙一枚で遮る事が可能である為、外部被曝の心配はありません。

しかし、
プルトニウムはこの世で一番恐ろしい毒物だとも言われています。

なぜ、外部被爆の心配がない放射性物質のプルトニウムが、
このように危険だと言われているのでしょうか?

一番問題なのは、プルトニウムによる内部被曝です。

プルトニウムを体内に取り込んだ場合、
アルファ線が放出される為に人体に悪影響を及ぼします。

もし、プルトニウムを食べ物から摂取した場合は、
その殆どが体外へ排出されてしまいます。

しかし、最も有害なプルトニウムの取り込み経路は、
空気中に浮遊しているプルトニウムの吸入なのです。

気道から吸入されたプルトニウムは、
大部分が気道の粘液によって食道へ送り出されますが、
4分の1程度は肺に蓄積され、それが肺がんへと発展してしまう可能性があります。

他にも、胸のリンパ節に取り込まれたり、生殖線などにも取り込まれたりもします。

プルトニウムの半減期は2万年以上とも言われているので、
体内に吸収されてしまうと永久的に放射線の影響を受けてしまう事になるのです。

けれど、放射線の影響と言うものは長い年月をかけて調べなければならない為、
統計学的に証明すると言う事は大変困難となります。

現段階の動物実験では、プルトニウムによる発がん性は認められていますが、
人体においてプルトニウムが原因で肺がんを発症したと科学的に判断された例は
ありません。